「JA1ZGP」の取得
学友会公認の「部」への道のり
JA1ZGP の復活
再びJA1ZGPというコールサインが使用されるようになったのは1975年頃からのことである。その頃の電波通信学科は、学生の2/3以上がアマチュア無線の免許を持っており、そのうちの半分は毎日QRVしていたらしい。電波通信学科に所属していた学生らが短大の無線部ではない無線サークルを作ろうということで同級生に声をかけたところ、有資格者など14名の部員が集まった。当時の電気通信術の授業をもっていた宮坂教授に相談したところ、休止状態であったJA1ZGPのコールサインの使用が許可され、D棟の電気通信術の実習室の隣の準備室を部室として使用することとなった。取り組んでいた活動は、衛星通信、SSTV、月面反射通信などであった。D棟の屋上でパラボラアンテナを自作し月面反射通信を試みたり、西地区の校舎の屋上にアンテナを張りコンテストに参加することもあった。
学内アマチュア無線団体の統合
1986年頃は、電通大クラブ(JA1ZGP)、工学研究部、短大、通信工学科の4つの無線局が存在していた。当時の「電通大クラブ」は電子情報学科に属する大学公認団体であった。1987年に通信工学科の有志クラブは学友会公認を得て、「無線同好会」というサークルとなった。1989年、当時の無線同好会の部長がアマチュア無線専門のサークルを作る必要性を感じ、電通大クラブの部長に相談し、二つの部を統合することとなった。合併にあたっては、学内的には無線同好会として、対外的には電通大クラブとして活動し、合併後のコールサインはJA1ZGPを使用することとで決着した。
無線部の誕生
1991年頃、それまでに積み重ねた実績により、学友会より晴れて部への昇格が認められ、その際に名称も「無線同好会」から「無線部」に変更された。この時変更された「無線部」という名称は、現在まで変わらずに使われ続けている。
「日本一」のコンテストクラブへ
電信の強み
電気通信大学の前身は無線電信講習所ということもあり、1990年頃まで電気通信術(モールス)の授業が行われていた。卒業後は船の通信士として働く人も多く、そのため電信ができることが電気通信大学の無線サークルの強みであった。1981年には、大学主催のコンテストブームが後押しとなり、電通大コンテストを開催しようという話となった。電通大ということから、電信限定のコンテストで、OBが参加しやすいようにマルチにMMを追加した。その後、規約の変更はあったものの、現在まで電通大コンテストは続けられている。1990年前半までは、研究室への影響を抑えるための小電力による通信の必要が生じ、かつ電通大の持つ電信の強みを活かせるといったことから「電信部門」でのコンテスト参加が主であった。全市全郡コンテストでは、1983年に初参加した電信部門で全国1位を記録した。それ以後も電信部門で、1位または上位入賞を果たした。1990年頃から電気通信術の授業がなくなり、アマチュア無線を知らない新入部員も入学するようになった。これにより電信の技術が廃れていくかと思われたが、独学で学ぶことで、電信の技術は脈々と後輩に受け継がれることとなる。
電信から電信電話へ
1997年頃から電信電話部門への挑戦が始まり、その翌年にはパワー別の表彰となった。このためにミドルクラス部門での参加での入賞が狙いやすくなったことから、電信電話部門での入賞を目指すようになった。1998年には、ミドルパワー部門ではあるが創部以来初めて、電信電話部門における1位入賞(ALLJAコンテスト)を果たしている。
ハイパワー化と全国制覇への挑戦
無線部(当時は大学公認団体)が100W化をしたのは1983年頃である。その頃は、100Wの出力変更でも変更検査を受ける必要があったが,無事に変更審査を通過してHFの100Wが実現された。しかし、部室のあったD棟(当時)の屋上に設置されていた900MHzレーダーに干渉するということで、HFの運用はほとんどできなかったらしい。1995年頃には日本無線のJRL-2000Fが、1998年頃にはHFの200W機が導入され、現在のようなハイパワーの設備が整った。コンテストにおけるハイパワー部門への挑戦は2004年頃からであった。この頃からは大会での入賞常連となり、ALLJAコンテストでは2002年から現在まで連続入賞を果たし、全市全郡コンテストでは2006年から11年連続優勝を果たしている。
これからの無線部
今まで無線部は、部員の減少によって廃部の危機に瀕したり、時代の流れに翻弄されてきたが、その度に柔軟に時代に合わせて改革してきた。一方で、先輩方の技術や電通大コンテストなど大切に受け継いできたからこそ、今の無線部があるように感じる。これからも様々な困難に直面するかと思いますが、時代とともにこの部活が続いていけることを願います。